この記事の出典

  • 「第50話 失われた海を求めて 中編」
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    など

マンガ大賞2025の二次選考10作品まとめ


公開日:2025年3月26日
最終更新日:2025年3月26日
この記事のバージョン:1.0.0
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目次
2025年1月21日に、マンガ大賞2025の二次選考ノミネート10作品が発表されました。この記事では、その10作品がどのような作品であるかを振り返り、考察してみたいと思います。
この記事を書くにあたり今回ノミネートされた作品と2020年以降の大賞作品は連載されている最新話までは読んできました。(※この記事は現在未完成のため、補足や出典が不十分な部分があります。ご了承ください。)
まずは、「漫画大賞」自体について振り返っておきましょう。

マンガ大賞の概要

選考対象作品

今回は「2024年1月1日から12月31日までに新刊の単行本が刊行された、 最大巻数が8巻までの作品」(電子書籍で、最大巻数が8巻相当までの作品も含む。)

選考方法

  1. 一次選考→各選考員が「人にぜひ薦めたいと思う作品」を5作品選出
  2. 二次選考→一次選考の結果から得票数10位までの作品がノミネートされる
  3. 選考員はその全てを読み、トップ3を選ぶ
  4. その結果を集計し、「マンガ大賞」を決定する

詳細なこと

「マンガ大賞とは?」
https://www.mangataisho.com/about/index.html
だいたい一番単行本が出るのが早い週刊連載で、3ヶ月に1巻、新刊が出版されます。年に4回×2年で、8巻です。それだけの期間があれば、 人に勧めたいマンガの面白さは発揮されていると思います。逆にそれ以上の長さのものは、面白さは世間に知れ渡っているだろう、ということで、8巻までを対象にしました。あと、これ以上長いと、気軽に手に取るには、ちょっと量がありすぎるかな、というのもあります。
普段からマンガの現場でマンガに接している実行委員会のメンバーが、「この人はマンガに対して熱を持っている!」と直接存じ上げている方に声をかけて集まって頂きました。 なお、マンガが売れることに直接の利害関係があるマンガ家さん本人や、編集者の方、ブックデザイナーなどの関係者の方々には、公正を期するために、選考員にはなっていただいていません。

作品情報

※作品はアルファベット順→50音順に並んでいます。
※受賞歴に関して、今回の「マンガ大賞2025 ノミネート」は省略しています。
『COSMOS』
作者:田村隆平
掲載誌:『月刊サンデーGX』(小学館)
発表号:2023年5月号(2023年4月19日発売)
巻数:既刊5巻
1巻2023年11月17日発売
2巻2024年2月19日発売
3巻2024年5月17日発売
4巻2024年9月19日発売
5巻2025年1月17日発売
連載期間:1年11ヶ月(2025年3月時点)
発行部数:10万部〜(2024年5月時点)
あらすじ:
人の嘘が見抜ける高校生・水森 楓はドライに生きてきた… 謎の女子高生・穂村 燐に出会うまでは。失踪した水森の友人・相澤を地球外生命体と言い放つ穂村。彼女が語る…宇宙人専門の保険会社「COSMOS」とは───!?
受賞歴:
「次にくるマンガ大賞2024」 - コミックス部門 第5位
「このマンガがすごい!2025」 - オトコ編 第9位
「第4回マガデミー賞」 - 作品賞ノミネート
備考:
作者の田村先生は、2009年13号から2014年13号まで『週刊少年ジャンプ』で『べるぜバブ』を連載していた。また、同誌で2017年13号から46号まで『腹ペコのマリー』を、2020年30号から2021年29号まで『灼熱のニライカナイ』を連載。各巻の帯にはそれぞれ久保帯人先生、藤田和日郎先生、荒川弘先生、高橋留美子先生などがコメントを寄せている。
『ありす、宇宙までも』
作者:売野機子
掲載誌:『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)
発表号:2024年27号(2024年6月3日発売)
巻数:既刊2巻
1巻2024年8月30日発売
2巻2024年12月26日発売
(3巻2024年3月28日発売予定)
連載期間:9ヶ月(2025年3月時点)
発行部数:不明
あらすじ:
朝日田ありすは、容姿端麗で人気者。彼女は幼い頃両親からバイリンガル教育を受けていたが、その死によって結果的にどちらの言語も拙くなり、日々の授業についていくことができない。そんな中ありすが出会ったのは、孤高の天才・犬星くんで…? 両親がいる天国に近づくために、一人の少女が日本人初の女性宇宙飛行士船長になるまでの物語
受賞歴:
「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2024」 - 第4位
「Renta!マンガ大賞2024」 - 少年/青年部門 心ゆさぶるマンガ賞 受賞
「このマンガがすごい!2025」 - オトコ編 第16位
備考:
作者の売野先生は『月刊コミックバンチ』では『MAMA』を連載していた。また、『売野機子のハート・ビート』は「第21回文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門にて審査委員会推薦作品に選ばれ、『ルポルタージュ』は「このマンガがすごい!2018」オンナ編14位を、『インターネット・ラヴ!』は「このマンガがすごい!2024」オンナ編14位を獲得。
『女の園の星』
作者:和山やま
掲載誌:『FEEL YOUNG』(祥伝社)
発表号:2020年2月号(2020年1月8日発売)
巻数:既刊4巻
1巻2020年7月8日発売
2巻2021年5月8日発売
3巻2022年12月8日発売
4巻2024年10月8日発売
連載期間:5年2ヶ月(2025年3月時点)
発行部数:265万部〜(2025年3月時点)
あらすじ:
ある女子校、2年4組担任・星先生。生徒たちが学級日誌で繰り広げる絵しりとりに翻弄され、教室で犬のお世話をし、漫画家志望の生徒にアドバイス。時には同僚と飲みに行く…。な~んてことない日常が、なぜこんなにも笑えて愛おしいんでしょう!?どんな時もあなたを笑わせる未体験マンガ、お確かめあれ!
受賞歴:
「このマンガがすごい! 2021」 - オンナ編第1位
「THE BEST MANGA 2021 このマンガを読め!」 - 第6位
「ebookjapanマンガ大賞2021」 - ノミネート
「全国書店員が選んだおすすめコミック2021」 - 第12位
「マンガ大賞2021」 - 第7位
「マンガ大賞2022」 - 第4位
「全国書店員が選んだおすすめコミック2022」 - 第9位
「第25回文化庁メディア芸術祭」 - マンガ部門 ソーシャル・インパクト賞
「マンガ大賞2023」 - 第3位
「第47回講談社漫画賞」 - 最終候補作品
備考:
作者の和山やま先生の同人誌から発展して書籍化が決まった『夢中さ、きみに。』は「第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞」、「第24回手塚治虫文化賞短編賞」などを受賞し、『カラオケ行こ!』やその続編『ファミレス行こ。』は多数の漫画の賞にノミネート、実写映画化もされ、テレビアニメ化も決まっている。『女の園の星』は和山先生にとって商業誌初連載作品。
『この世は戦う価値がある』
作者:こだまはつみ
掲載誌:『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)
発表号:2023年20号(2023年4月17日発売)
巻数:既刊3巻
1巻2023年10月12日発売
2巻2024年3月12日発売
3巻2024年9月11日発売
連載期間:1年11ヶ月(2025年3月時点)
発行部数:不明
あらすじ:
伊東紀理、社会人3年目。積まれるエナドリ、仕事不調、セクハラ職場にモラハラ彼氏。「人の役に立ちたい」一心で生き抜く日々に、一通の封書が届く。そこに入っていたのは1枚のカード。それは、彼女が自由に生きる権利となった。25歳、捧げるだけの人生の終わり。そして、人生最大最後のリベンジが始まる!
受賞歴:
「ebookjapanマンガ大賞2024」 - ノミネート
「このマンガがすごい!2025」 - オトコ編 第8位
「第4回マガデミー賞」 - 感銘賞ノミネート
備考:
作者のこだまはつみ先生は「コミックDAYS」等で『ざんげ飯』を連載していた(全7巻)。『この世は戦う価値がある』は隔週連載。
『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)』
作者:白川蟻ん(漫画), 六つ花えいこ(原作), 秋鹿ユギリ(キャラクター原案)
掲載誌:『カドコミ』(KADOKAWA)
発表号:2022年1月30日
巻数:既刊5巻
1巻2022年4月5日発売
2巻2022年12月5日発売
3巻2023年7月5日発売
4巻2024年2月5日発売
5巻2024年9月17日発売
連載期間:3年2ヶ月(2025年3月時点)
発行部数:不明
あらすじ:
魔法学校に通う17歳のオリアナは、ある日恋人のヴィンセントと共に原因不明の死を迎える。死ぬ前の記憶を持ったまま、7歳の姿に死に戻ったオリアナ。愛しい恋人との再会を夢見ながら幾年を過ごし、やっと再会するも、彼はオリアナのことを何も覚えていなくて……。
受賞歴:
「ebookjapanマンガ大賞2024」 - 3位
「ebookjapanマンガ大賞2024」 - 書店員賞 受賞
(原作は「次にくるライトノベル大賞2021」にて総合19位を獲得。)
備考:
白川蟻ん先生の他の作品には『ゴジュッセンチの一生』などがある。『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)』の公式略称は「死にプロ」。
『圕の大魔術師』
作者:泉光
掲載誌:『good!アフタヌーン』(講談社)
発表号:2017年12月号(2017年11月7日発売)
巻数:既刊8巻
1巻2018年4月6日発売
2巻2018年11月7日発売
3巻2019年8月7日発売
4巻2020年6月5日発売
5巻2021年6月7日発売
6巻2022年6月7日発売
7巻2023年6月7日発売
8巻2024年6月6日発売
連載期間:7年3か月(2025年3月時点)
発行部数:160万部(2025年2月時点)
あらすじ:
その昔、書物は金と同様の価値を持っていた。小さな村で姉と2人、貧しい暮らしをしていた少年は本の都“アフツァック”に憧れを抱いていた。そんなある日、一人の司書と出会い、運命が大きく動き出す──。
受賞歴:
「俺マン2018」 - 第6位
「次にくるマンガ大賞2018」 - ノミネート
「第14回全国書店員が選んだおすすめコミック」 - 一般部門12位
「第1回出版社コミック担当が選んだおすすめコミック」 - 9位
備考:
作者の泉光先生は、『ジャンプスクエア』にて2012年5月号から2013年5月号までアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のコミカライズを連載。また、同誌で2014年9月号から『7thGARDEN』の連載を始める。現在は休載の形を取り、2017年11月から『good!アフタヌーン』で『圕の大魔術師』を連載中。
『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』
作者:まるよのかもめ
掲載誌・掲載サイト:『ヤングアニマルZERO』『ヤングアニマルWeb』(白泉社)
発表号:2024年6月1日増刊号(2024年5月9日発売)
巻数:既刊1巻
1巻2024年10月29日発売
連載期間:10か月(2025年3月時点)
発行部数:20万部〜(時点)
あらすじ:
望月美琴、21歳・営業事務! おっとり・ほんわかな彼女の幸せは……【ドカ食い】!?!? ガッツリ・コッテリ・山盛りの食べ物をひたすらに食す♪ 血糖値の爆アゲでしか得られない…悪魔の快楽★ カロリーのオーバードーズで""至る""、限界突破の禁断グルメギャグ!!
受賞歴:
「ebookjapanマンガ大賞2025」 - 第3位
備考:
初回連載では2話分が掲載された。当初は隔月連載の予定だったが、反響を受けて5月17日に月一回の連載へと変更。『ヤングアニマルZERO』の刊行が無い月はウェブコミック配信サイト『ヤングアニマルWeb』にて公開がされている。
『どくだみの花咲くころ』
作者:城戸志保
掲載誌:『アフタヌーン』(講談社)
発表号:2024年1月号(2023年11月25日発売)
巻数:既刊2巻
1巻2024年5月22日発売
2巻2024年12月23日発売
連載期間:1年4か月(2025年3月時点)
発行部数:不明
あらすじ:
癇癪持ちで予測不能な動きをする信楽はクラスでも浮いた存在。なんでもソツなくこなす優等生の清水は図工の時間に盗み見た彼の紙粘土の作品に心を奪われる。この日をきっかけに遠くから信楽の観察をはじめることに。ある日、清水は偶然近所の空き地に信楽が入っていく姿を見つける。彼が帰ったあと、こっそりその場所にいくとそこには独創的な形の草人形があった───。優等生と問題児の不穏で愉快な友情物語開幕!
受賞歴:
「このマンガがすごい!2025」 - オトコ編 第3位
備考:
「アフタヌーン四季賞2022秋のコンテスト」で同名の作品で大賞を受賞。同作をX(旧Twitter)にて公開したところ反響を呼び、連載化が決定した。
『ふつうの軽音部』
作者:クワハリ(原作)、出内テツオ(作画)
掲載誌:『少年ジャンプ+』(集英社)
発表号:2024年1月14日
巻数:既刊5巻
1巻2024年4月4日発売
2巻2024年6月4日発売
3巻2024年9月4日発売
4巻2024年11月1日発売
5巻2025年1月4日発売
(6巻2025年4月4日発売予定)
連載期間:1年2ヶ月(2025年3月時点)
発行部数:10万部〜(2024年7月時点)
あらすじ:
ちょっと渋めの邦ロックを愛する新高校1年生・鳩野ちひろは、初心者ながらも憧れのギターを手に入れ、念願の軽音部に入部する。個性豊かな部員たちに困惑しつつも、バンドを結成することになるが──!? 超等身大のむきだし青春&音楽奮闘ドラマ、開幕!!
受賞歴:
「次にくるマンガ大賞2024」 - WEBマンガ部門 第1位
「このマンガがすごい!2025」 - オトコ編 第2位
「THE BEST MANGA 2025 このマンガを読め!」 - 第2位
備考:
2023年1月7日より9月18日までウェブコミック投稿サイト『ジャンプルーキー!』(集英社)に投稿された。ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』(集英社)にて、日曜更新から連載中。
『路傍のフジイ 〜偉大なる凡人からの便り〜』
作者:鍋倉夫
掲載誌:『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)
発表号:2023年24号(2023年5月15日発売)
巻数:既刊4巻
1巻2023年10月30日
2巻2024年2月29日
3巻2024年8月30日
4巻2025年2月28日
連載期間:1年10ヶ月(2025年3月時点)
発行部数:70万部〜(2025年2月時点)
あらすじ:
職場では空気みたいな存在感の独身男性。なのに、その生き方は破格の格好良さ!コスパとかマウントとか承認欲求とか、そういうものの為に戦ってる人生がなんだかどうでもよくなってくる…我々の価値観の外側で生きる男がここにいる! 超等身大のむきだし青春&音楽奮闘ドラマ、開幕!!
受賞歴:
「このマンガがすごい!2025」 - オトコ編 第5位
備考:
作者の鍋倉夫先生は、2018年25号から2020年38号まで同誌で『リボーンの棋士』を連載。『路傍のフジイ』は毎号連載だったが、2023年9月頃から隔週連載になった。

ここにある作品はどれも、今回のマンガ大賞以外にも多く受賞しています。 圕もですが、過去の大賞作品も含めて全体的に社会的な内容が多い印象です。もしくは漫画界全体がそういう漫画が増えているんでしょうか?
『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』は話題性でいうと、もしかしたら一番大きい作品かもしれません。最新話が更新される度に、SNSを中心に取り上げられることが多い作品ですね。企業とのコラボも積極的に行なっています。ちなみに、泉先生もこの作品を認知されています。『ふつうの軽音部』はジャンプ+で初回全話無料で読むことができたり、作中で使用されている楽曲つながりでコミュニティが大きく広がっています。
連載期間で見ると、1年前後〜2年ほどの作品が多いようです。その中で、『死に戻り』が3年2ヶ月、『女の園の星』が5年2ヶ月、『圕の大魔術師』は7年3ヶ月連載をしています。過去のノミネート作品を見ても、この「マンガ大賞」というのは、8巻という制限のもと、比較的連載始まってまもない作品が入ることが多いため、7年以上連載している作品は少し異質かもしれませんね。
『圕の大魔術師』は8巻で、対象作品となるのは今回が最後になります。やはり、このサイトを運営しているだけ、特に『圕の大魔術師』を応援しているので、今回はぜひ大賞を受賞してほしいところです。
他の作品にも言えるかもしれませんが、『圕の大魔術師』はまず知られていないというところから始まることが多いので、審査員全員が読むというところに希望をかけています。
大賞発表は3月27日です。例年、授賞式では大賞作品の作者の先生を招くのが、セオリーになっていますが、もし、『圕の大魔術師』が受賞したら、泉先生は登壇するのか…?というところも気になっています。

出典

参考文献

世界観 考察 関連情報 その他