掲載情報
タイトル:「第五十四話 嘘をつく大人 前編」
掲載号:『good!アフタヌーン』2025年12号
発売日:2025年11月8日(土)
ページ数:14p
作者近況:「大谷選手の動画ばかり見る日々。」
掲載号:『good!アフタヌーン』2025年12号
発売日:2025年11月8日(土)
ページ数:14p
作者近況:「大谷選手の動画ばかり見る日々。」
新たに判明した情報
- 木屑の町オルデンブルッケイドに到着
- 一向が町に入る様子と1話のセドナたちとの対比
- 反対運動を続ける"狼"の存在
- シオたちのもとに現れた6人の男女
- シオとラコタ族の子
- ついに到着した目的の町オルデンブルッケイド。そこでは、海側ラコタ族の子供が「黒潮眼」と言われ、陸側ラコタ族の子供達に鞄を取られいじめられていた。それを見たシオは間に入り争いを止めさせる。1巻でいじめられていたシオが今度は助ける側に回るという構図。ホピ族を助けるラコタ族→ラコタ族を助けるホピ族。
そんな昔のこと
オラに言われても知らないよ!
オラに言われても知らないよ!
街の者 皆耳を大きくし
到着を待ちわびてました!
到着を待ちわびてました!
- 木屑の町オルデンブルッケイド
- この町は近年主流になりつつある「砕木式」で作られた紙の流通により、現在発展を続けている最中なのだという。町長はシワセ=アッカン。彼らからはまさに歓迎という雰囲気で料理のもてなしを受ける。しかし、どうやらこの町の全員が建設を待ち望んでいるわけではないようで…。
- 町長と反対する"狼"
- シオたちが料理を食べている間、町長は建設予定地で反対運動を続けている"狼"という人物を司書たちから遠ざけるように指示していた。"狼"とは、53話の冒頭で登場した狼の面をつけた人物のことだろう。町長は図書館建設を夢見ているらしく、"狼"はそれを邪魔する存在であると考えているようだ。
あんなホラ吹きに図書館建設を
邪魔されてなるものか…!
邪魔されてなるものか…!
説明会の会場は
ここでいいですかな?
ここでいいですかな?
- 図書館建設に反対する者たち
- 町の経済や先の歓待の様子からこの町に図書館を建てることをシオは前向きに捉えていた。そんな中、作業をしていたシオたちの前に6人の男女が現れる。全員もれなく険しい顔をしており、その額につけられた鉢巻きには、「図書館建設反対」の文字があった。
考察
オルデンブルッケイドのラコタ族
町長や町の人間を見るところ、どうやらこの町は陸側ラコタ族が多いようだ。アヤの故郷でも、海側ラコタ族のカナはアヤの他に友達がいなかったようであった。灰白色の死が迫る海から逃げ、陸側ラコタ族の地域に移住せざるを得ず、そこから長い間弾圧されてきたという歴史から、そもそも海側ラコタ族の数が少ないのかもしれない。
図書館建設反対の理由
町長は反対運動について"狼"にしか言及していなかったが、最後の6人組は"狼"と同じ理由で反対しているのだろうか。考えられる理由の一つはやはり財政関係。この世界において、本はそこそこに高価であり、中央圕の支援を受けても、一つの町が図書館を建てるために必要な資金は決して小さくないだろう。町民がその圧迫を受けるのは目に見えている。そのお金を違う問題を解決するために使えと町民が訴えているのかもしれない。それと町長は図書館を建てることが「夢」だと発言しており、これが町長の考えを固めることになる原因をつくっていそう。他には、環境や治安に与える影響、町長の悪い思惑、以前イツァムナーのところで描かれた本屋を経営している者が困るとかだろうか。54話のタイトルは「嘘をつく大人」。嘘といえばホラ吹きと呼ばれていた狼の人物だが、町長もまだ何を隠しているのか分からない。
作中に登場した言語表現や料理、ドイツ要素
「耳を大きくして」というのは、日本語の「首を長くして」と似たような感じだろうか。大きな耳たぶを特徴とするラコタ族ならでは表現方法。それから、オルデンブルッケイドはラコタ族の町ということなので、ナチュラルにラコタ語が使用されているだろう。シオたちとの掛け合いが楽しみなところ。チャタン料理は、麻婆豆腐や餃子っぽいのが見られるので、日本でいうところの中華料理に近いのかもしれない。また、町の名前に関してドイツには「オルデンブルク」という地名が存在するが、2章が完結する直前に泉先生は作者近況において「ドイツに取材に行きました。第三章に活かせたらいいですね。」と語っている。